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新型コロナウイルスの国内での新規感染者数が減り、2020年5月14日に39県において緊急事態宣言が解除されました。
また、5月21日に大阪府、京都府、兵庫県の緊急事態宣言も解除され、残りの東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、北海道についても、5月25日に解除の判断がされる予定です。
緊急事態宣言の解除後に配なのが、感染の「第2波」です。
実際に、韓国や中国の武漢では経済活動再開後に再び集団感染が報告され、新型コロナウイルス第2波に対して警戒をしています。
日本に新型コロナウイルス感染の「第2波」がくるとしたらいつでしょうか?
「第2波」を防ぐために、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか?
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新型コロナウイルス感染の「第2波」はいつくる?
新型コロナウイルス感染の「第2波」はいつくるのでしょうか?
「第2波」が、いつ来るかは誰にも分かりませんし、「第2波」が来るかどうかも分かりません。
緊急事態宣言が解除されたからといって、新型コロナ感染拡大前と全く同じ生活スタイルに戻せば「第2波」が来る確率は高いでしょう。
また、夏には一旦、感染が落ち着き、ウイルスが活性化する秋冬に第2波が襲ってくる可能性も指摘されています。
「第2波」が来るかどうかは、緊急事態宣言解除後に日本国民の一人ひとりが感染予防を意識した生活を継続することができるかにかかっているでしょう。
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新型コロナウイルス感染「第2波」を防ぐために確認すべきことは?
新型コロナウイルス感染の第2波を防ぐために、改めて感染経路とクラスターが発生した場所を確認してみたいと思います。
新型コロナウイルスの感染経路は?空気感染しない?
新型コロナウイルスの感染経路は、インフルエンザ同様、基本的には「飛沫感染」と「接触感染」です。
今のところ、空気感染は確認されていません。
飛沫感染とは?
飛沫とは、せきやくしゃみで飛んでいくしぶきのことで、感染者のウイルスが含まれています。
ウイルスが含まれる飛沫を吸い込み口や鼻の粘膜に付着すれば、そこから感染が起きます。これが飛沫感染です。
ただし、飛沫は0.5~1mmと大きいので、自らの重みのせいで空気中を漂うことなく1~2mで落下してしまうため、空気感染ほどの感染力はないようです。
接触感染とは?
新型コロナウイルスに感染している人が手で押さえて、くしゃみやせきをし、
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マイクロ飛沫感染とは?空気感染との違い
「マイクロ飛沫感染」という言葉をご存じでしょうか?
新型コロナウイルスの感染を防ぐうえで非常に重要になるのが、「マイクロ飛沫感染」への警戒だと思います。
「空気感染」とは、せきやくしゃみから生じた飛沫(ひまつ)(病原体を含む水分の粒子)から水分が蒸発し、飛沫核(ひまつかく)になっても感染性を失わず空気中に漂い、その飛沫核を吸い込んだ人が感染することをいいます。
新型コロナウイルスは空気感染しませんが、飛沫感染と空気感染の『間』の感染が発生していると考えられていて、「マイクロ飛沫感染」と呼ばれています。
マイクロ飛沫は、5~10マイクロメートル(1μm=1000nm)以下と小さいので飛沫のようにすぐに落下せず、周囲に漂い続けるのが特徴です。
また、せきやくしゃみをしていなくても、発声や会話などによって直径の小さな『マイクロ飛沫』が出ていることが分かっています。
下の動画を観るとマイクロ飛沫がくしゃみや会話で出て、漂い続ける様子が分かります。
換気が重要 | 新型コロナウイルス“マイクロ飛沫(まつ)感染”からわかる予防 | NHKスペシャル
また、下のTwitterの画像を観ると、飛沫感染とマイクロ飛沫感染の違いを理解できると思います。
新型コロナウイルス を知ろう!【医師によるイラスト解説!①】
— jokins.jp (@jokins_jp) May 18, 2020
新型コロナウイルスの主な感染経路として、マイクロ飛沫、飛沫感染、接触感染が考えられます。 pic.twitter.com/iM2d5YcVxA
空気中を漂う新型コロナウイルスを含んだマイクロ飛沫を吸い込むことによって、感染が爆発的に広がるリスクがあります。
空気感染ほどの感染力はないのでしょうが、実際には空気感染に近いことが発生していると考えられます。
なお、「マイクロ飛沫感染」を防ぐには、こまめな換気が重要とされています。
下の動画で「マイクロ飛沫感染」について、医師の方が非常に分かりやすく解説してくれています。
動画を観ることで、「マイクロ飛沫感染」を防ぐ沢山のヒントを知ることができます。
クラスター(集団感染)が発生した場所の確認|感染しやすい場所とは?
感染を予防するには、新型コロナウイルスの感染経路を知るとともに、感染しやすい場所を避けることも重要です。
そこで、これまでクラスター(集団感染)が発生した場所を確認してみたいと思います。
- スポーツジム
- ナイトクラブ
- ライブハウス
- カラオケ店
- コールセンター
医療施設や介護施設を除くと、上記のような場所で複数のクラスター事例が報告されました。
クラスター(集団感染)が発生した場の共通点を踏まえると、特に下記3つの特徴があるとされています。
- 密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
- 密集場所(多くの人が密集している)
- 密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)
(出典:厚生労働省)
下図のように3つの条件が同時に重なる場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
クラスター(集団感染)が発生しやすい「3密」を避けることが重要です。
換気の悪い密閉空間で、感染者を含んだ多くの方が、間近で会話をすれば、新型コロナを含んだ「マイクロ飛沫」が密閉空間を漂い続け、多くの方がウイルスを含んだ「マイクロ飛沫」を吸い込み、感染が爆発することが容易に想像できます。
新型コロナウイルスの感染を防ぐうえで、「接触感染」や「飛沫感染」だけでなく、「マイクロ飛沫感染」についても注意することが重要です。
スポーツジムやナイトクラブなどだけが感染しやすい場所というわけではありません。「3密」が発生しやすい場所では感染が爆発する可能性があります。
個人的には、コールセンターを含む職場も「3密」を発生させやすいケースがあると考えています。コールセンター以外にも職場でクラスターが発生した事例はいくつかあります。
職場では、部屋をこまめに換気したり、共有する備品のこまめな消毒なども必要でしょう。
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感染「第2波」を防ぐための「新しい生活様式」
緊急事態宣言後に新型コロナウイルスへの感染を防ぐために、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ「新しい生活様式」実践例を提示しています。
全てを実践することは不可能かもしれませんが、可能な限り、実践することが「第2波」を防ぐことにつながると思います。
感染防止の3つの基本
「新しい生活様式」の中では、感染防止の3つの基本として、下記3つが提示されています。
(1)身体的距離の確保
人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空け、会話をする際は、可能な限り真正面を避ける。
(2)マスクの着用
外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用。
なお、風邪やインフルエンザなどに対するマスクの予防効果は科学的に立証されていません。
一般的に販売されているサージカルマスクでは、空中に浮遊しているウイルス粒子の侵入を防ぐことはできません。
しかし、他人に感染を広げないためにもマクスの着用は重要です。
せきやくしゃみが出ている場合には、当然のことですが、症状が出ていない潜伏期間でもウイルスをまき散らしてしまう可能性があります。
感染を広げないためにも、せきや熱などの症状の有無に関わらず、公共の場に出る方全員がマスクの着用を心がけるべきです。
マスクの着用で「マイクロ飛沫」の拡散を防ぐ効果も確認されています。
(3)手洗い
手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)
日常生活を営む上での基本的生活様式
また、「新しい生活様式」の中では、日常生活を営む上での基本的生活様式として、下記5つが挙げられています。
- まめに手洗い・手指消毒
- 咳エチケットの徹底 こまめに換気
- 身体的距離の確保
- 「3密」の回避(密集、密接、密閉)
- 毎朝の体温測定、健康チェック。発熱又は風邪の症状がある場合はムリせず自宅で療養
上記の「感染防止の3つの基本」と「日常生活を営む上での基本的生活様式」を意識するだけでも感染の可能性を大きく下げることができると思います。
個人的には、「人と接する場面では必ずマスクを着用する」と「まめに手洗い・手指消毒」、「「3密」の回避」を多くの方が確実に実行するだけで、感染を防ぐ効果は格段に上がると思います。
家庭内での感染予防
また、家庭内感染防止のため、家庭においても、手洗い、咳エチケット、換気、共用部分の消毒など予防の徹底が重要です。
今後、気温が高くなると冷房を使うことが多くなりますが、通常の家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで、換気を行っていません。
別途、換気を行う必要があります。
また、一般的な空気清浄機は、通過する空気量が換気量に比べて少ないことから、新型コロナウイルス対策への効果は不明とされています。
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まとめ
コロナ禍で仕事が減り、日常生活に影響が出ている方も多いでしょう。
ほとんどの地域で緊急事態宣言が解除されて日常が戻り始めていますが、「第2波」が来てしまうと日本経済に深刻な打撃を与えることになります。
新型コロナウイルスに感染しなくても、経済が低迷することで自ら命を絶ってしまう方もいます。
緊急事態宣言が全面的に解除になっても、新型コロナウイルスが日本から存在しなくなるわけではありません。
月並みな表現ですが、一人ひとりが感染予防を意識することでしか「第2波」を防ぐことはできないでしょう。
新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬が広く行き渡るまでは、経済活動を再開しながらも、「第2波」を防ぐための新しい生活スタイルも必要となります。