2024年に大きく刷新されたNISA制度。
新たに登場した「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の使い方が、投資初心者から経験者まで多くの人々の関心を集めました。
その中でも特に注目されているのが、年初に一括で投資すべきか、それとも積立投資を選ぶべきかという選択肢。
2025年を迎えましたが、この選択肢は多くの人にとって重要なテーマになっています。
どちらの方法が自身にとってベストなのか、そしてどんなポイントを考慮すればよいのか?
今回の記事では、一括投資と積立投資のどちらにすべきかを分かりやすく解説します。
「非課税枠を最大限に活用したいけど、どうすればいいの?」と悩んでいる方は、参考にしてください。
2019年から2024年の事例
2019年から2024年は、初一括投資と積立投資のどちらのパフォーマンスが良かったかをオルカン「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を事例に確認してみたいと思います。
2024年
2024年1月4日の基準価額は20756円で12月30日は27686円。
8月初旬に急落する場面はありましたが、一年を通して年初よりも基準価額が下がる場面はありませんでした。
2024年は「年初一括投資」の勝利です。
(出典:三菱UFJアセットマネジメント)
2023年
2023年1月4日の基準価額は15757円で12月29日は20899円。
2023年は多少の下げはありましたが、ほぼ一本調子で年末まで上昇。
2023年ついても「年初一括投資」の勝利です。
2022年
2022年1月4日の基準価額は17073円で12月29日は15992円。
この年は米国の中央銀行であるFRBが政策金利を短期間で引き上げた影響で米国株が軟調に推移。
その影響でオルカンも軟調でした。
基準価額も年初に比べて年末の方が低い状態。
2022年については「積立投資」の勝利です。
2021年
2021年1月4日の基準価額は12803円で12月30日は16971円。
この年は多少は軟調な局面もありましたが、一年間ほぼ上昇する状態。
基準価額は年初に比べて4000円超上昇しました。
2021年については「年初一括投資」の勝利です。
2020年
2020年1月6日の基準価額は11569円で12月29日は12788円。
この年は新型コロナの影響により3月に急落。その後、年末にかけて回復しましたが年初の基準価額を安定的に超えるようになったのは11月以降。
基準価額は年初に比べて低い状態が続きました。
2020年については「積立投資」の勝利です。
2019年
2019年1月4日の基準価額は8926円で12月30日は11736円。
この年は伸び悩む場面もありましたが年末にかけて上昇。
基準価額は年初に比べて2000円超上昇しました。
2019年については「年初一括投資」の勝利です。
過去6年間で比較すると「年初一括投資」の4勝2敗となっています。
過去6年間のオルカンの基準価額推移から分かることは、新型コロナの感染拡大のような重大事がなければ年初一括投資の方がパフォーマンスが良くなるということ。
毎年のように重大事件が起こることがないと仮定するのであれば、年初一括投資を選択した方が最終的なパフォーマンスが良くなる可能性が高いでしょう。
一括投資と積立投資どちらにすべきか?
右肩上がりが期待できる指数(インデックス)に投資するなら、一括投資が理論的には有利。
ただし、一括投資できる資金があっても急落するような場面で怖くなって売却してしまうようであれば積立投資を選択すべき。
逆にまとまった資金がないケースでは積立投資を選択せざるを得ないこともあります。
結局は本人次第。
自身が心地良く資産運用を続けられる投資法を選ぶべきです。
一括投資か積立投資かよりも大切なこととは?
一括か積立かよりも大切なことは長期の視点を持つこと。
少しでも利回りを良くすることを考えるよりも長期で投資を続けることを考える方が重要。
年初一括投資で急落して損切りするようであれば、積立投資を選択すべき。
2025年1月20日にトランプが二期目の大統領に就任するので、株式相場にも波乱が起こる可能性があります。
資産運用の目的は何か?少しでも利益を上げることなのか?
ほとんどの方は老後資金などの準備のはず。
であれば、あまり短期の利益に左右されることなく、自分の心地よい投資法を選んで長期で投資することを考えることが重要。
投資において重要なポイントは、長期・分散・積立と言われますが、その中で重要なのは長期と分散。
一括か積立かは、本人が心地良く続けられる方を選べばいいでしょう。
まとめ
右肩上がりが期待できる指数(インデックス)に投資するなら、一括投資が理論的には有利。
ただし、一括で投資しても相場が急に下落したときに不安で売却してしまうようなら、積立投資のほうが向いています。
また、そもそも一括投資に使えるまとまった資金がない場合は、積立投資を選ぶのが現実的。
大切なのは、自分に合った方法を選ぶこと。
自分が無理なく続けられる投資スタイルを見つけることで、長期的な資産運用を成功させる道が開けます。
どんな方法を選んでも、資産運用を長期で継続できることが成功の鍵です。