NISA制度の恒久化・非課税期間の無期限化が正式に決まりました。
当ブログでも何度か新NISAについて解説してきました。
今回、正式に新NISA制度の内容が決まりましたので、再度、制度の内容と新制度の開始に向けての準備についてまとめてみたいと思います。
今回の記事を読めば、新NISAの概要と来年に向けて行うべき準備が分かります。
新NISAを活用したいと考えている方は参考にして下さい。
- 新NISAの改正内容は?|いつから始まる?
- 非課税保有期間の無期限化
- 制度(口座開設期間)の恒久化
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
- 年間投資枠の拡大
- 非課税保有限度額は1,800万円
- 新NISAの始め方|2023年の「つみたてNISA」から始めるのがおすすめ
- まとめ
新NISAの改正内容は?|いつから始まる?
新NISAは2024年1月からスタートする予定です。
新NISA制度の概要は下表の通り。
次項以降で押さえておくべき新NISA制度のポイントを解説したいと思います。
非課税保有期間の無期限化
現状の一般NISAの非課税期間は5年、つみたてNISAの非課税期間は20年ですが、新制度では非課税の投資期間は無期限となります。
制度(口座開設期間)の恒久化
2014年から始まった「一般NISA」で投資できるのは2023年までと決まっています。
また、2018年開始の「つみたてNISA」の投資可能期間は2042年までで、非課税の保有期間は最長で2061年まで。
一方、2024年からNISAは期限のない恒久的な制度になります。
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
現在は、「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらかの制度を選ぶ必要があり、併用はできません。
新制度では一般NISAを「成長投資枠」、つみたてNISAを「つみたて投資枠」として両制度の併用が可能となります。
つみたて投資枠で投資できる商品とは?
つみたて投資枠で投資できる商品は、現在の「つみたてNISA」で投資できる投資商品と同様になります。
つみたてNISAでは、金融庁が厳選した225本(2023年4月4日現在)の投資信託及びETFへの投資が可能です。
成長投資枠で投資できる商品とは?
成長投資枠では投資信託だけでなく個別株なども購入でき、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資可能。
ただし、下記の商品は投資対象から除外されます。
- 整理・管理銘柄
- 信託期間20年未満の投資信託
- 高レバレッジ、毎月分配の投資信託
先日、金融庁は「成長投資枠」を使って購入できる投資信託を2000本程度に絞り込む方針との報道がありました。
長期投資に不向きな商品については除外する方針のようです。
成長投資枠(1200万円)のみの利用も可能。
なお、つみたて投資枠を使わずに成長投資枠の利用のみも可能です。
しかし、わざわざ成長投資枠だけを使う意味はないでしょう。
非課税で運用できる600万円分の「つみたて投資枠」を使わない方がもったいないです。
年間投資枠の拡大
現在、一般NISAは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円の非課税枠がありますが、その非課税枠が下記の通り大きくなります。
- 一般NISA:120万円 ⇒ 240万円(成長投資枠)
- つみたてNISA:40万円 ⇒ 120万円(つみたて投資枠)
両制度合わせた年間の合計最大投資枠は360万円です。
非課税保有限度額は1,800万円
新NISAでの非課税の保有限度額は1800万円(成長投資枠は1,200万円)となります。
なお、これまでできなかった非課税投資枠の再利用が可能。
また、生涯非課税限度額については、買付け残高(簿価残高)で管理されます。
このため、NISA口座内の商品を売却した場合には、翌年以降に当該商品の簿価分の非課税枠を再利用できることに。
例えば、成長投資枠で購入した240万円の個別株が480万円に値上がりした際に売却した場合、再利用できる非課税枠は簿価である240万円ということになります。
新NISAの始め方|2023年の「つみたてNISA」から始めるのがおすすめ
さて、2024年から新NISAをフル活用するために今年から行うべき準備はあるのでしょうか。
まだNISA口座を開設していない方に関しては、2023年から「つみたてNISA」を始めることをおすすめします。
2023年に現行のNISA口座を開設すれば、2024年には自動的に新NISAに移行する予定。
なお、既にNISA口座を開設している方に関しては、現在の金融機関のままで問題ないか検討することおすすめします。
私は、現在auカブコム証券で一般NISAを利用しているのですが、2024年からはSBI証券に変更する予定。
もともと、2015年にNISAを始める際に口座を持っていた流れでカブドットコム証券(現auカブコム証券)で一般NISA口座を開設しました。
しかし、今後は成長投資枠で米国ETFを購入したいと思っているので、ドルを購入する際に為替手数料が安いSBI証券にNISA口座を移管するつもりです。
特に、付き合いのある銀行などでNISA口座を開設している方に関しては、本当に今の金融機関のままでいいのかを確認する必要があるでしょう。
なお、2024年に新NISAが始まってからも金融機関の変更は可能ですが、できれば2024年の初めから新しい金融機関で始めることをおすすめします。
なお、2023年の非課税枠を現在の金融機関で利用している場合は今年の10月以降に変更手続きが可能となります。
まとめ
新NISAの概要は下記の通り。
- 非課税保有期間の無期限化
- 制度の恒久化
- つみたて投資枠と成長投資枠の併用可
- 年間投資枠の拡大
まだ、NISA制度を利用していない方に関しては今年から「つみたてNISA」を始めることをおすすめします。
2023年までにNISA口座を開設していれば、2024年には手続きなしで新NISAに移行する予定。
また、既にNISAを利用している方に関しては、今の金融機関のままで問題ないかを検討することをおすすめします。
なお、新NISAについては下記のような記事も書いていますので参考にしてください。